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Energy Challenge(マグネシウム循環社会の実現に向けて)

電気自動車普及・実用化への挑戦

ガソリンのエコランレース観戦時、その小さいエンジンをスタートさせる為に使用する電池をそのまま使って走行し、決められた電気量で走行距離を競う大会から技術を見出すために、同じ電気量(電池)と舞台を提供し、時間をかけてでも、そのエンジニアを育成する事が電気自動車の実現に結び付くと考えました。

ソーラーカーレースと電気自動車の省エネレースの誕生は、電力会社の動きと少なからず関係があります。

日本での初めてのソーラーカーレースは、エネルギー消費増と環境保全との相反するテーマに関心が持たれ、電気自動車などのクリーンエネルギー自動車の開発、実用化がより強く求められる中、1992年に電気事業者連合会とエネルギー庁の強力なバックアップにより石川県・能登で実現しました。

志賀原子力発電所の建設に合わせて、全電力会社の幹部が列席されての開催であったこと記憶しています。

そして、20年が経過し、猛威を振るってしまった東日本大震災の後、自然の力が主役となり、必要以上の電気エネルギーをつくり出す責任の重さと貴重な電気を使用する尊さを改めて感じさせられてしまいます。

東北にある電力会社が直列インフラ型ハイブリット電気自動車を開発したのは、山間地を電気自動車が走行する時に、必要な時に充電スタンドがないのだから、電気がなくなった時に自ら発電機で充電して走行できるようにする「電力を供給する」意識からであり、豊富な電力を充電して走行するものではありませんでした。

世界で初めての電気自動車の省エネレース(2時間の走行)から25年目となり、秋田県大潟村(約100wh)でのトップチームの記録(63.798km)は約1.5倍に、一般道に近似した宮城県菅生サーキット(約250wh)での記録(42.6km)は、約1.6倍に記録が更新されています。参加者の皆さんが真剣に電気と向かい合った結果です。

同じ電気エネルギー、同じ走行時間での記録は、そのまま省エネ機器(電気自動車)を開発したことになりますが、走行距離が増えた分だけスピードが増し、その部分だけ安全対策が必要になってきます。

(各所の講習会に使用した資料「ECO CARレースと蓄電システムについて」(2012年10月26日、滞日工科大学(バンコク)で使用))

一般的にも、「温暖化対策と経済成長の両立には省エネが極めて重要な役割を占める。」と指摘され、近隣のアジア諸国の人たちに「いつまでも汚染された空気を吸わせながら、自転車で通勤をさせられない。我々とおなじような快適な例えば省エネ電気自動車を開発し、そうしたアイデイアや技術を伝えてあげたい。」、こうした思いで各地のエントラントとオフィシャル側が一緒になって、健全なる電気自動車の普及・促進を目指し、挑戦を繰り返えしているのが電気自動車の省エネレース(エコノ・ムーブ)です。

(左:1995年、第一回目の大潟村及び菅生の大会のトップチーム、右:競技用電池(FT4L‐BS×4個))

競技用で使用している鉛蓄電池について

競技用公式電池として電気エネルギーを公平に供給する為に制御弁式鉛電池を使用してきました。一般的ではありましたが最新のものであり、電気に対してより意識的になってもらうためでした。大手の電池メーカーは、鉛蓄電池を製造し、それを搭載した直流電源装置、無停電電源装置といった電源装置を主体に製造、販売しています。

自動車や鉄道といった分野では、鉛蓄電池が主流です。実績があり、安心して使えるという意味で追随を許しません。ほかの畜電池と比較して容量当たりの価格が安く、コストパフォーマンスが高いだけでなく、微小電流から大電流まで広い範囲で放電が安定しています。しかし、重く、小型の機器には向いていないのも事実です。

電気に対する意識が高まる社会

今後はさらに蓄電池に対するニーズが高まると考えています。これまで、電気は無尽蔵に供給されるものと思われてきました。しかし、夜間の余剰電力さえ乏しい現在、電力使用量を可視化し、発電機や蓄電池を制御するエネルギー監理システム(EMS)は一気に普及し、電気は需給関係をモニタリングしながら、コントロールするものという意識が定着してきています。 言葉を替えればエコノ・ムーブではのバッテリーマネジメントの戦いです。

蓄電より発電への現状

現在、注目しているのがMgです。Mgは海水に含まれるため、日本国内でも塩田から採取可能で資源としての制約が少なく、最近では自然エネルギーを用いてMg金属に再生する技術も確立されています。

まずは、このMg空気電池の原理を用いた非常用電源Mg-Boxが開発されました。Mg-BOXの特徴は、長期保管が可能で、使用後の廃棄が容易となるよう紙製容器とした点です。備品として保管しておけば、使いたいときに持ち出して、使い終わったら簡単に廃棄できます。1次電池ではありますが、リサイクル技術が進めば2次電池のように繰り返し利用できる可能性があります。

最近、エネルギー・キャリアという分野が注目されています。検討されているものに、水素、アンモリア、そしてMgがあります。我々プロジェクトでは、電力会社との系統連携のない離島にて、製錬(精錬)の為のエネルギーは再生エネルギーをタイミング良く使い、海洋深層水汲み上げプラントからの副産物である苦汁を材料として使えるようすることのMgに関わる開発と実用化に入っています。 その出口として島内で走る軽トラEVがあります。 エンジニアの育成の為に、25年以上継続してきたエコノ・ムーブの現地開催から、今度は発電を含めたエンジニアの育成に繋がればと思います。

(開催計画は次の内容です。「2019 World Econo Move Grand Prix final round」)

特に沖縄県での特有なエコノ・ムーバーの開発と実用化は、ガソリンなどの高額であることを背景とし、農山漁村及び離島の振興を図る活動、観光の振興を図る活動等に特色を生かしたものであり、地産地消の交通システムの構築と実現に繋がります。そしてその技術な新たなる産業構築にもなります。

電気がパーソナルな存在になる

現在、注目されているロボット市場は民生用、産業用ともに拡大することが予想されます。そこでは、電気に対する意識を確実に変わってくると考えられます。ロボットが普及し、ペットのような存在になれば、充電という行為がロボットにとっての食事であることが認識させられるはずです。人間と同じで、食べなければ動けなくなっていくのです。そこには、ロボットが自分で例えば、Mg-BOXに水を入れて充電するシーンもあり、さらに信頼性の高い電池が必要になってきます。電気がパーソナルな存在になればなるほど人は電気に意識的になるのです。

夏の高校野球は今年の大会の開催は100年を超えています。甲子園が舞台であり、技術やスピードがアップされ、使う道具が進化しても、基本ルールと野球への信念が継続され、家族3代で出場しても話題が続いています。 最近、著しく記録更新し高校チームのチャンピオンは、岩手県にある創立120周年を昨年迎えた、ものづくりの伝統校です。ワールド・エコノ・ムーブは25周年を迎え、決して目ざとい事を追うのではなく、技術の継承を第一に展開して行って欲しいものと思います。

こうした大会から育ったエンジニアは所謂、「自ら発電して走行できるエコノ・ムーバー」を開発・実用化をして行くのではないかと思います。 

益々、電気自動車の普及・実用化へ向ける挑戦者としての活躍が期待されています。

※説明と合わせて動画として編集しておりますのでご確認ください。

(当時のシーンを組み合わせて筆者が編集しており、画像の乱れなどありご了承お願い致します。)

一般社団法人マグネシウム循環社会推進協議会 代表理事 熊谷 枝折(古河電池㈱)

引用資料:WEM20回記念誌(平成27年4月ワールド・エコノ・ムーブ実行委員会発行、「電気自動車普及・実用化への挑戦」 熊谷枝折))

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